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2015-02-19 11:34    グッチ 財布 2つ折り
 東京の様子や父の体の具合といった事柄は聞く気配すらなかったので、孝夫も父がスミ江さんと暮らしていることなどはずっと黙っていた。今回もいつもの長期休暇とおなじに父がいくばくかの金を持たせてくれたのだが、祖母はその袋を指先でつまんで受け取り、翌日には郵便局に積んでしまった。孝夫が小さかった頃と同様、祖母はほとんど現金を使わなかった。買うものといえば、軽トラックで売りに来る魚肉ソーセージとサバの水煮の缶詰くらい。ニワトリは五羽いたので卵は十分にあったし、牛乳の代わりにヤギの乳を飲む。わずかな田だが食うだけの米はとれるし、野菜も自給できている。  祖母の家にはまだテレビがない。真空管のラジオだけだ。この家の様子が江戸時代と異なるのは、屋根がトタン、裸電球とラジオがあるくらいのもので、これ以上簡素化しようのない生活だった。村にもどって三日間は体がなまっていたので、夕めしを食べるとすぐに眠くなり、字を書く気になれなかった。囲炉裏端でうたた寝をしていると祖母に、 「ほれ、風呂入れ」  と、ゆり起こされた。  台所のかまどの横に朽ちかけた風呂桶が据えられている。夕げの支度でかまどに火を入れるとき同時に焚き始めるので、沸くまでには二時間の上かかり、ちょうど眠くなる時刻と重なるのだった。  風呂桶につかると、くもりガラスの割れた窓から星空が展望できた。人工の光の混じらない暗くて深い空だった。少ない湯の中で膝を抱え、孝夫は肩の冷えるのを忘れて、配置を決めた造物主の存在を信じてしまいそうなほど美しくバランスのとれた星座に見とれていた。  祖母が眠ってしまってから、孝夫は裸電球の下で蒲団に腹ばいになって東京の神谷美智子に手紙を書き始めた。クラスの住所録、便箋と封筒はなによりも先にバッグにつめて東京から持ってきたものだった。  前略  書き出してしまってからおかしいのですが、手紙というものを書くのは初めてだと気づきました。小学生のとき、千葉の学校に転校していった級友にクラス全員で手紙を書いたことはありましたが、こんなふうに、一人対一人で書くのは初めてなのです。  村は紅葉の山に囲まれています。毎日、祖母と二人で山に入り、冬越し用の薪を取っています。一日中働いているので、夜になるとすぐに眠くなり、気がつくともう朝です。教科書や参考書は一冊も持ってきていないので、なんだか高校生であるのを忘れてしまいそうです。  神谷さんは勉強しているのでしょうね。大学でなにを勉強するのか決まっている人はうらやましいです。  体を酷使して働いてみたら、自分の本音が姿を見せるのではないかと思って田舎に来たのですが、今のところはただ疲れるだけでどうしようもありません。それでも、クラス討論に参加している虚しさに比べれば、筋肉の存在を実感できるだけまだましです。  もっと長く書きたいのですが、まぶたが下がってきてしまってもう限界です。  授業が再開されるようでしたらお知らせ下さい。そういうことがなくても、お返事を待っています。  さようなら。 [#地付き]上田孝夫
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